机の上に幾何の問題集は開いてあるものの、先刻から少しも進まない。嫌いな教科というわけでもないのだが、解く気力がわいてこない。少年はうんざりして立ち上がり、窓を開けた。その部屋は海のほとりの家の二階で、開いた窓からは真夜中の浜辺と海とが見え…
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