北のかなたの国で、今しがた日の沈んだ海を、さらに北へ向かって漕いでゆく小舟があった。風変わりな旅人がひとりきり乗っている。薄暗い空の下を、さらに光とぬくもりから逃れようとするかのように、最も暗い水平線へ向かって漕いでゆくのだ。身を切るよう…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。