不思議なものを見た。 明るい林のなかに、あまり幅の広くない川が真夏の日の光を浴びながら流れていて、その岸辺の樹から太い枝が一本、川のうえへ大きく張り出し、枝先に向かって次第に垂れ下がって、一番末のほうはほとんど水面に接しかけていた。濃緑色の…
私は幼い子供だった。近くには、まだ若かった私の母と、母の幼なじみの女性との姿があった。そこは大きな病院の、総合受付の前の待合室であった。母の女友だちは白衣を身にまとっていた。彼女はこの病院に勤務している薬剤師なのだったが、たまたま訪れた私…
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