山の奥深くに寂れはてた寺があり、そして他に何もなかった。寺にいたる唯一の道すらも草に覆われて消えていた。ところどころに剥落のある白壁のまぎわまで、森の木々が迫ってきていた。壁といわず屋根といわず、いたるところに蔦が這いのぼっていた。かつて…
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